HRリーダーズインタビュー

[SHRM2017インタビュー]「日本的人事」の外側を見る~SHRM2017から見えたこと~vol.5

株式会社ピープルファースト

代表取締役

八木 洋介 氏

2017年12月1日

人事だからこそ、人間を科学すべき

SHRMでのトピックとしてもう一つ強烈なのは、テクノロジーとサイエンスです。
具体的に言うと行動科学と脳科学の世界です。

この分野で日本にも研究者がいますが、アメリカではそれが実際のビジネスに使われているわけです。

日本として学ばなければいけないのは、調整とかネゴシエーション役としての人事ではなくて、例えば行動科学と脳科学を通して、人間とは何かということをもっと根本的に研究して、人の活力を上げ、生産性やイノベーションを促進する形で人事の中に生かしていくということです。

例えば基調講演のラズロ・ボックの話を聞いていると、行動科学を生かしているというのは彼の「ナッジ(nudge)」という言葉に明確に出ていました。

ナッジは直訳すれば「そっと押す」という意味ですが、「誘い水」とでも行った方がイメージが湧くと思います。

例えばグーグルというのは、食堂の他にカフェテリアを持っています。

それを従業員、社員の福利厚生だと思っている人がほとんどだと思いますが、グーグルの経営者たちの意図は、議論を誘うことです。

イノベーションを起こすためです。これは、社員が自由勝手気ままに自分と関係のない人たちとしゃべって、そしてそこから新しいものを生み出す「誘い水」としてやっているのです。これは、明らかに行動科学から出てきています。

日本の人事は、従来型の調整人事をやるのではなくて、脳科学だとか行動科学というものをしっかり学んで、人間を科学として捉えてどうするかと考えることが必要になってきています。

例えば、会社で白か薄い色のブルーとか、そういう薄い色のシャツで会社に来てください、ルールです、ドレスコードですというようにするのと、「何を着てきてもいいですよ。TPOでやってください」というのとどちらがいいかということです。

何でもルールで「やれ」というときの人間のやる気と、「皆さんはTPOで適切な服装をして来てくださいよ」と言うのと、どちらがいいかということです。